かごの中の鳥は
これから一葉を貫くもの。
全身を思いのままに支配するもの。
その動きで激痛をもたらし、強烈な異物感とともに身体が大きく引き裂かれる。
血が赤い花弁のように散り、身体が大きく仰け反った。
「あ…はっ…!」
息が詰まる。
前も後ろも吐き出してしまいたいのに、許されない状況に身体の中の得体の知れない欲望の渦がうねる。
満たされない欲求。
イクことを許されない苦痛。
それはさらに深く侵入し、一葉の内部を責めつける。
「やめて…もう…ゆる…して…」
「イカせてほしいんだろう?発情してたまらないんだ。淫乱だな。オレの手で、イカせて欲しいか?」
ご主人様の手が、少年のものを乱暴に揉みしだく。
「あ…ご…主人…様…んっ…!」
張り裂けそうだ。壊れそう。
「お願いしろよ?一葉。イカせてくださいって。気持ちよくしてくださいって」
「お…ねが…しま…」
プライドも何も、もう残されてはいなかった。
ただ、この行為を終わらせるためだけに。
「聞こえないな」
「お…願い…し…ます…ご…主人…さ…ま…イカ…せて…くださ…」
震える声で。渇いた喉を振り絞って、哀願した。
瞳から涙がこぼれる。
「いい子だ。イカせてやろう。ホラ。足はもっと開かなきゃ、感度が悪い。そう教えただろう?一葉」
一葉を戒めていたワイヤーが外され、耳元で妖しく囁く。
「あ…っ!」
「ホラ。一葉。声を上げろ?」
「あ…あぁ――っっ…!」
一晩中、一葉の意識が無くなってさえその儀式は行われた。
そうやって一葉は逆らうこと、自由を諦めた。
もう死んでいると同じだった。
自分の意志を捨てた時から。ご主人様に身を委ねた時から。
それからの生活は楽だった。監視の目は多少気になったか、自分を捨てたことで何もかもどうでもよくなった。ご主人様に奉仕することも、一葉自ら進んでするようになった。
そうやって一葉はご主人様の従順なペットになっていった。
もうこの生活に浸かってしまったら真っ当な生活なんて出来やしない。
この生活を選んだのは一葉自身だ。
辞めるチャンスはあったのに。自分でそのチャンスを蹴ったのだ。


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