【完】Sweet☆カカオくん!
何だよ……お前は俺と付き合いたかったわけじゃなくて。
誰かと、“そういう関係”になりたかっただけなのか。
誰かと、そういう……“普通のカップル”みたいに。
「…………はっ。」
笑ける……。
そんなに、男に媚びて良い気持ちがしたいなら……。
「……ホストクラブにでも行けば?」
途端、頬に軽い重みが走る。
次第に熱を帯びていく頬。
瞬時に、俺は殴られたことを悟った。
「そういうことを、言ってるんじゃないのに……。」
百瀬の泣き声を耳にして、俺は漸く、自分が言った言葉の酷さに気づく。
「おい……。」
「あたしは、あたしは……加々尾くんにもっと、近付きたかっただけなのに……。」