【完】Sweet☆カカオくん!
一ヶ月前のバレンタインの日。
百瀬みるく。
アイツは、真っ赤な顔と震える声で、俺にチョコレートを渡して来た。
俺の為に、わざわざ俺の好み合わせて作って。
料理なんて全然と言っていい程出来ないくせに、指を絆創膏だらけにして。
俺にへと、ガトーショコラを。
俺がアイツの手作りガトーショコラを口にした時。
アイツは満面の微笑みで、俺を見た。
寝る、食べる、こと以外に興味も関心も持たない俺が。
久々に心臓を動かされた日だった。
「くそ……っ。」
……あの時のアイツの笑顔が、偽物のはずないのに……。
何で俺は、あんなこと……。
「……最低だ、俺……。」
一人きりの教室で、俺はソッと呟いた。