【完】Sweet☆カカオくん!
Bitter☆お前は誰が好きなの?
⇒ Chihiro side
――次の日。
俺はいつも通り、いつもと変わらない時間帯に家を出た。
百瀬のことが気にならないと言えば、それは勿論嘘だけど。
だからといって、日常を変えられる俺じゃない。
眠いものは眠い。
いつも通り、二度寝から始まった朝。
八時半。
遅刻ギリギリのこの時間帯に、俺は今日も正門を潜る。
遅刻間近……というか、最早常習犯の俺が教室の扉を開けば、俺以外のクラスメートは既に揃っているようだった。
窓際の一番後ろの席、そこが俺の席。
昨日俺が眠っていて、百瀬が凭れかかっていた席。
鞄を机の横に掛けて、体は机の上へと倒す。
軽く伸びをして、目を閉じた。