【完】Sweet☆カカオくん!
いつもの中庭。
いつも、俺と百瀬が並んで食べる場所で、俺は寝そべる。
真っ青な空に、真っ白な飛行機雲。
そのまま空を見続ける俺の上に、黒い影が出来た。
「……今のは、やり過ぎとちゃうん?」
独特な話し方。
それが無くても、何となく気配で分かってしまう。
「みるくん、お前の為に一生懸命作ってくれたんやって。何であんなことしたん。」
「…………。」
「みるくん、泣いとったで。」
……言われなくても、分かってる。
お前なんかに言われなくても、知ってる。
百瀬がいつも朝早くから、慣れない料理を一生懸命していることも。
脳みそ空っぽみたいな頭して、実は結構、何かと考えていること。
いつもは笑顔だけど、小さなことで泣き虫になること。