【完】Sweet☆カカオくん!
結菜ちゃんは置いて来てしまった。
今隣にいるのは、大好きな加々尾くん……。
休みの日だし、もう会えないかと思ってたのに……。
喜びと嬉しさで、思わず繋がれた手に力を込めてしまった。
「……何?」
それを感じた加々尾くんが止まって、あたしの方へ視線を向ける。
「か、加々尾くん。どうして今日、あたしを探してくれたの……?」
「……別に、探してないけど。お前が、俺といたいって言ったのに、アイツの歓迎会とか行くから……。」
“探してない”なんて、嘘。
鈍感と呼ばれる、あたしでも分かる。
いつも寝癖で立ってる前髪が、汗で額に張り付いてた。
結菜ちゃん程ではないけど、寒がりな加々尾くんが、マフラーを外していた。