【完】Sweet☆カカオくん!
例えあたしを探していたのが、本当の理由じゃなくても。
焦った顔であたしに“見つけた”と言ってくれて、嬉しかった。
「あ、あり、がと……っ、う、うぅう〜……!」
思わず、子供のように泣いてしまって。
こんな面倒臭い泣き方したら、また加々尾くんに嫌われるかもしれないのに。
次々と溢れる涙は、止まり方を知らなかった。
「…………あのさ。」
「ひっ、く……ぅ、な、に……っ?」
そんなあたしを見てか。
加々尾くんがギュッと、あたしの手を一層強く握る。
少し痛いけど、離す気にはなれない。
「……俺、お前の好みとか、分かんねえ。」
「え……?」
“好み”……?
「分かんねえ、から……。」