【完】Sweet☆カカオくん!
――起きると、既に夕方だった。
開いた目の隙間から入る、眩しい夕日の光。
……今、何時だ?
誰一人いない教室の時計を見ると五時。
「寝過ぎた……。」
午後からの授業、何一つ受けてねえ……。
……とりあえず家に帰ろうと立ち上がれば、隣からコトンと音がした。
「は……?」
音のした方に目を向ければ、間抜け面して眠る百瀬が床に座り込み、俺の椅子に凭れかかっていた。
まさかコイツ……俺が起きるのを、待ってたのか……?
「Zzz……。」
間抜け面なのに、スヤスヤと眠る表情は気持ち良さそうで、起こす気になれない。
しばらくジッと、百瀬の顔を見つめていた。