【完】Sweet☆カカオくん!
百瀬の髪に触れようとするソイツの手を、勢い良く叩き落とした。
パチン、と音がして、教室には沈黙が続く。
「ん……っ?」
そんな中、百瀬が小さく声をはっした。
「嫉妬深い彼氏やなぁ……。男の嫉妬は嫌われるで?」
余計なお世話だ。
不審な男は何も無かったかのように振る舞い、百瀬から離れ、恐らく入って来たであろう出入口の扉から、出て行こうとする。
「オレ、城之内郁(じょうのうち いく)言うねん。明日からこのクラスやから、仲良うしてえな。」
「……は?」
俺がその言葉の意図を聞く前に、ソイツは「ほな。」と言葉を残して、教室から出て行った。
……意味が分からねえ……。