真実(仮)



「待った!一気に質問しないでよ。全部覚えられる訳ないでしょ」

「あー、悪い悪い」

「絶対思ってないだろう、それ」

「バレた?あはは」


あいつ相変わらず偽ってんな、と思いつつ一人寝ようとしていた宗侍だが、鐐にいくつか聞きたい事があったので寝たフリをしていた。


私はみんなの質問に答えた後、文さんにも伝えたことなどを一通りみんなにも話しておいた。


「えっ、そうなの?また戻っちゃうの〜?」

「そうなのかよ!じゃあ、梓苑様の候補1人消えるじゃん!」


本当に呆れる…8月くらいには帰って来ると1分も経たないくらい前に説明したばかりだ。頭は良い癖にこういうのは本当にダメな奴だ。
面倒くさいので受け流し、他のメンバーに聞かれた事だけを答えておいた。


「っ、俺は無視かよ!」


みんなで昴を一瞥してから会話に戻った。
昴が宗侍に愚痴を言おうと起こそうとしてキレられているのが目の端に見える。

そろそろタイミングが良いだろうと思い、まだ会話をしているメンバーに、


「別の用事もあるからそろそろ行くよ」

「用事?そっか、忙しそうだもんね」

「また色んな話、今度教えてよ〜?」


様々な言葉を受けながら向こうに戻る前にまた寄る事を伝え、部屋を立ち去る。










< 12 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop