真実(仮)

あの事について





しばらく廊下を歩き、周りに気配がない事を確認してから言葉を発する。


「宗侍、何か私に聞きたい事があるのかな?」


満面の笑みを貼り付け、振り返る。


場所を移動しよう、と声をかけ私の家に行く事にした。

着いてから宗侍を席に着かせ、お茶を淹れる。私も席に着き、落ち着いた頃に



「やっぱバレてたか」

「まあね、みんなの前だったら気が付かないフリしとくけど」

「さっきも偽りまくってたよな。キャラ作ってないの、梓苑と俺の前でだけだよな。今も昔も」

「さあ?どうだろう。別にみんなを信用してないとかではないんだけどね」

「分かってる。今回夏まで帰って来る予定、本当はなかっただろう」

「宗侍も流石だね、相変わらず。こっちで私の事一番知ってるのは宗侍かな?(笑)」


鐐が気になる事を言った気がするが、触れないで置いておく。


「今回帰って来たのは、親御さんの事だよな」


そう。星咲に仕えている人で私の親の事について知ってるのは数少ない。
大抵の人たちには海外に行っていると黎苑様には伝えてもらっている。
それについては私からそう頼んだ。


「そうよ。で、それは置いておいて、前フリは良いから宗侍が私に聞きたい事は別にあるのでしょう?」

「…ああ」

「梓苑の事よね」

「お前はどうするつもりなんだ?」

「私がどうするも決めるのは私達ではないからね。多分あの人は一気に私達2人に付かせる気だと思うよ」

「やっぱりか。そんな事だろうと思ってたんだよな」

「今、星咲は急成長してて、色んな敵も生んでる時だしね。後はあのメンバー全員にも指令がいくと思う」




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