真実(仮)
あれよ、これよ、と話しているうちに夕飯の時間になったようだ。
インターフォンが訪問者が来た事を私達に伝える。
宗侍と目を合わせ、次の瞬間。
「いくぞっ、じゃんけん〜」
私はグー、宗侍はチョキ。私の勝ちだ。
宗侍が玄関に行く事になった。
少し待っていると宗侍とともに知っている声が入って来る。
「開けるの遅いじゃない。2人して何してたのよ」
「あ、あはは。何だろうね」
「どっちが開けるかのじゃんけんでもしてたんでしょ。しかも私だって分かっててやったわね」
「バレてるぜ、鐐」
「分かってるなら聞かなきゃ良いのに」
そう言いつつ宗侍の陰に隠れる。
「なんか言った?」
宗侍が代わりに睨まれていた。
こわ…
「っ、鐐。ふざけんな。俺でも怖いんだから」
「その怖いものから女を守るのが宗侍の役目でしょ」
「お前がその枠内に入るわけないだろ。しかもあれは例外だし、あの発言をした鐐の責任だろ」
「うわ、全然紳士じゃないじゃん」
「は?何で海外に行ってた鐐がそれ知ってるんだよ」
「宗侍、気を付けた方が良いよ」
私は意味深な発言を残し、先に奥へと行ってしまった人の後に続いた。
後ろで宗侍が何か言っているがそのまま進む。