星に願いを


「お約束事、ふたーつ!あたしの物には触れない!」



狭い屋根裏部屋には入りきらなかった物が幾つかあって、それはまだ(元)あたしの部屋に置いてある。

つまり、奴の部屋。驚くことに奴の荷物はたった段ボール箱3箱だった。




「お約束事みーっつ!プライバシーの尊重!」




そこまで言うと、ぷ、と奴は吹き出す。(笑い方すら憎らしい!)



「おまえにプライバシーなんてあんねんな」

「黙れ、愚民め」

「誰に口聞いとん。」




にっ、睨むな!こ…怖いんだから!

アンタなんてもう名前ですら呼んであげないって決めたの!

奴は少し怯んだあたしを見てまた薄く笑う。



「ま、仲良くしよーや。」

「誰がするか!」

「素直ちゃうな。」

「や、事実だから。」



なんてポジティブなの。物凄くタチ悪いじゃない。



「いい?約束は約束。この部屋に住むなら守る事!」



いくら掃除をしたとはいえ、やっぱり私の部屋。
ベットに腰掛ける彼に違和感が止まらない。なんとゆうミスマッチ。亮助の持つ雰囲気だけが、そこに浮いているような。同じ年の癖に、大学生にも見える彼の容姿には、かっこいいなんて、可愛いなんて思ってやるもんか。もう二度と!騙されないようにしないと。





「なあ、…ホンマは期待しとるんちゃう?」





そう言うと奴はにんまり笑った。あたしはその言葉に首を傾げ頭にハテナマーク。

アタシの瞳をじっと見て、指先でワイシャツのボタンをひとつ外す。その隙からみえた鎖骨に不覚にも、どきっとした。



「たとえば、」
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