星に願いを

俺はコイツが嫌いやった。昔から、いや、あの日から。

俺の親父は世界でも指折り数えられる程の資産家。親父は産まれ育った大阪が好きやから、俺がまた大阪に行くことに協力してくれた。


「失礼ですが、色々と調べさせて頂きました」


神田は一般市民を見下す人間。中学ん時も高校ん時も、不釣り合いだとかゆって俺と世間を切り離した。




「坊っちゃんには不釣り合いです」




ほなな、またや。

人の良い親父は頭の悪い人間をクビにすることをしらんらしい。

“おまえの事が大切やと思ってるからやろ”なんて。


…………ふざけんな。



やったら何であの時俺を大阪から引き離した?

なんであの時、俺が一番大切にしとったもんが分からへんかった?

……許せへんねん。







「おまえをクビにせえへんだけでも嬉しく思うんやな。」





神田の顔を見ずに、閉めた部屋の扉。


日本の季節は夏。

アイツは今笑っとるやろか。



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