星に願いを
第三章「逃げんな、抱き枕。」

01

ミーンミーンと蝉が唄を歌う。今日から始まった夏休み。カラカラ笑顔のお日様に向かって“夏だー!”と叫んだら後ろから頭をどつかれた。





‐act.10‐




「痛っ!殴ることないじゃん!」

「夏夏うっさいねん」

「だって夏なんだもん!」

「わかっとるわ!」



相変わらず殴られてばかりいるけど、前みたいに亮助と一緒にいる時間も苦痛じゃなくなった。

そりゃあ24時間近く一緒にいるものだから、慣れなきゃおかしいのかもしれない。

だけど今日は久々に亮助と離れる用事があたしにはある。


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