小さなキミと
どことなく胡散臭さを感じたけれど、とりあえず詳細を聞いてみることにする。


「みんなって誰よ。っていうか、どこで?」


「圭ちゃんち。あたしはもちろん行くし、日向と世良くんも来るよ。あと……服部くんもね」


フフフ、と笑って結は言った。


「え、服部も、来るの?」


思わずゴクリと唾を飲み込んだあたしを見て、結と日向は途端に声を上げて笑い出した。


「アハハッ、やっぱ涼香最高だわ」


「それはどうも」


なんだかバカにされたようで、あたしはムッとして皮肉を口にする。

だけど、2人ともニヤニヤを止めようとはしない。


「で、来るでしょ?」


「そりゃ……行きたいに決まってんじゃん」


ボソボソと言ったあたしに、結が重要なことを付け加えた。


「言っとくけど、泊りだから」


「えっ!?」


つい大きな声を出してしまい、加えて顔に熱が集中した。


「ぶっ」と噴き出す結、日向。


「真っ赤じゃん。涼香さん、なにを想像したんですかぁ?」


「う、うるさいッ」


あたしが怒れば怒るほど、2人は笑いが止まらないようだった。


「っていうか世良くんって、葉山くんと服部と仲良いっけ?」


あたしが訊くと、結が一旦笑うのを止めて答えた。


「あー、それあたしも思ったけど、大丈夫みたいよ。
女子は友達グループ作るけど、男子ってみんな平たく仲良しって感じだもん。
って、圭ちゃんが言ってたよ」


「へぇ。そういうものなのか」


「じゃあ明日、学校集合にする? それか個別にそれぞれ圭ちゃんち行く?」


具体的なことを決めだした結の声を遠くで聞きながら、あたしは既にワクワクしている自分に気づいていた。

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