小さなキミと
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最近あたしは、なぜか服部に、地味に避けられていると感じるようになっていた。
勉強会2日目の日曜日、服部は葉山くんの家には来なかった。
そして月曜日、期末テストの為に席が出席番号順になった。
せっかく久々に席が近くなったのに、服部は不自然なくらいにあたしを相手にしなかった。
こっちから話しかけても、無視はしないものの、すぐにどこかへ逃げるようにいなくなるし。
ふと目が合っても、ものすごい速さで逸らされるのだ。
これにはさすがに傷ついた。
なんで?
あたしまた何かやらかしました?
まさか、あたしが好きな人いるって言ったのが原因じゃないよね?
もしそうだとしたら、服部はなかなか察しが鋭い上に、結構嫌なヤツだということになる。
が、服部に限ってそれはないだろう。
彼はどっちかというと鈍感だ。
訊きたいけど、怖くて訊けない。
7月頭から1週間にわたり実施された期末テストの間中、あたしはそんなことばかり考えていた。
ただし、テストの問題が思いのほか解けなかったのはそのせいではない。
自分が自分に甘かったせいである。
期末テストが終わって週が明け、今日で夏休みまで残り3週間を切った。
2時限目が終わり、今は休み時間で教室は賑わっていた。
次の3時限目は、最後のテストの答案用紙が返ってくるのだけど……
科目は“ライティング”、手ごたえはまるでなし。
「剛、最近元気なくね?」
イスに後ろ向きに座った八神が、俯いたあたしを覗き込むようにして話しかけてきた。
八神というのは、あたしの前の席の大柄な色黒男のことだ。
「そんなことないよ」
あたしは普通に笑って言ったつもりだったのに、なぜか八神は顔をしかめた。
「いや、絶対なんかあっただろ。教えろよ」
「何にもないってば」
これ以上突っ込まれるのはうっとうしいので、シッシと追い払う仕草を八神に向ける。
こればっかりは、男子に相談なんてできない。
「ふーん、まぁいいや。
そんなことよりライティング返ってきたら、ちゃんとテストの合計教えろよ」
あたしの気持ちを知ってか知らずか、八神はあっさりと話を変えた。
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最近あたしは、なぜか服部に、地味に避けられていると感じるようになっていた。
勉強会2日目の日曜日、服部は葉山くんの家には来なかった。
そして月曜日、期末テストの為に席が出席番号順になった。
せっかく久々に席が近くなったのに、服部は不自然なくらいにあたしを相手にしなかった。
こっちから話しかけても、無視はしないものの、すぐにどこかへ逃げるようにいなくなるし。
ふと目が合っても、ものすごい速さで逸らされるのだ。
これにはさすがに傷ついた。
なんで?
あたしまた何かやらかしました?
まさか、あたしが好きな人いるって言ったのが原因じゃないよね?
もしそうだとしたら、服部はなかなか察しが鋭い上に、結構嫌なヤツだということになる。
が、服部に限ってそれはないだろう。
彼はどっちかというと鈍感だ。
訊きたいけど、怖くて訊けない。
7月頭から1週間にわたり実施された期末テストの間中、あたしはそんなことばかり考えていた。
ただし、テストの問題が思いのほか解けなかったのはそのせいではない。
自分が自分に甘かったせいである。
期末テストが終わって週が明け、今日で夏休みまで残り3週間を切った。
2時限目が終わり、今は休み時間で教室は賑わっていた。
次の3時限目は、最後のテストの答案用紙が返ってくるのだけど……
科目は“ライティング”、手ごたえはまるでなし。
「剛、最近元気なくね?」
イスに後ろ向きに座った八神が、俯いたあたしを覗き込むようにして話しかけてきた。
八神というのは、あたしの前の席の大柄な色黒男のことだ。
「そんなことないよ」
あたしは普通に笑って言ったつもりだったのに、なぜか八神は顔をしかめた。
「いや、絶対なんかあっただろ。教えろよ」
「何にもないってば」
これ以上突っ込まれるのはうっとうしいので、シッシと追い払う仕草を八神に向ける。
こればっかりは、男子に相談なんてできない。
「ふーん、まぁいいや。
そんなことよりライティング返ってきたら、ちゃんとテストの合計教えろよ」
あたしの気持ちを知ってか知らずか、八神はあっさりと話を変えた。