小さなキミと
間をあけず、圭から直球の質問が飛んできた。


「いつ告白すんの?」


「ハァッ?」


声を裏返らせて目を丸くするオレに対し、圭は冷静そのものだった。


「オレとしてはその反応が“ハァ?”だわ」


首を傾げると、圭は本日何度目かの呆れ顔を作った。


「だってさっきからお前、いろんな言葉で剛さんの事が好きだって言ってるようなもんだったじゃん」


一気にオレの顔が熱を持った。


否定しようにもしきれない。


「す……きとかはまだ分かんねーし、そんなの考えたこともないわ」


「お前言ってることムチャクチャだぞ?」


圭は呆れを通り越したらしい。


心配げな表情をこっちに向け、諭すような口調で言葉を続けた。


「じゃあ考えてみろよ。八神くんと剛さんが仲良くしてるの見てムカつくのは何でだろーって。
2人がお似合いだって評価に嫉妬するのは何でだろーって。
剛さんが気になって気になって仕方ないのは何で」


「あぁーーーーやめろ分かった、分かったから!」


これ以上は聞けない、オレはたまらず声を張り上げる。


だが、そんなことで素直に口をつぐむ圭ではない。


「分かったって、何が?」


これまた嫌な質問を投げられ、オレは頭を抱えたくなった。


だけどここで答えてしまったら、もう後戻りできなくなりそうで怖かった。


「じゃあもし告られたらどうすんの?」


黙ったままのオレを見かね、圭が質問を変えてきた。


「それはねーだろ。
だってアイツ、好きなヤツいるって言ってたし……」


自分で言って気が付いた。


圭は、剛がオレの事を好きだったらどうするのかと訊いている。

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