小さなキミと
ガタンガタン、というわずかな機械の音がうるさく聞こえるほど、ゴンドラの中は静かだった。
こんなの……やだな。
せっかくの遊園地デートの終わり方が、喧嘩別れになるのは悲しい。
もしかして服部……仲直りの機会を作ってくれたの?
服部も意地になってるだけ……なのかな。
あたしの正面に座る服部は、どこか難しい顔をしていた。
服部のこういう顔を、あたしは何度か見たことがある。
服部が考え事をしているときの顔だ。
仲直りのキッカケを考えてくれてたら嬉しいんだけどな。
キッカケが欲しいよね、やっぱり。
キッカケキッカケ……。
「やっ、夜景! キレーだよね!」
「────うん」
会話が終わってしまった。
服部、『うん』って何だよ『うん』って!
もっと広げてくれよ!
仕方がないのであたしは別の話題をふっかけた。
「夏休み、もうすぐ終わっちゃうね」
「────そうだな」
またまた服部の一言で終了。
このガキ、あたしと会話する気あるのかよ?
「はっとりぃー。あたしは服部が何考えてるのか分かんないー」
投げやりな気分でそう言って、視線を夜景に移す。
と、その時突然ゴンドラが大きく揺れた。
一瞬肝を冷やしたが、揺れの原因は服部があたしの隣に移動したからだった。
「え、なに、突然どうした……」
次の瞬間、あたしは服部の腕の中に居た。
こんなの……やだな。
せっかくの遊園地デートの終わり方が、喧嘩別れになるのは悲しい。
もしかして服部……仲直りの機会を作ってくれたの?
服部も意地になってるだけ……なのかな。
あたしの正面に座る服部は、どこか難しい顔をしていた。
服部のこういう顔を、あたしは何度か見たことがある。
服部が考え事をしているときの顔だ。
仲直りのキッカケを考えてくれてたら嬉しいんだけどな。
キッカケが欲しいよね、やっぱり。
キッカケキッカケ……。
「やっ、夜景! キレーだよね!」
「────うん」
会話が終わってしまった。
服部、『うん』って何だよ『うん』って!
もっと広げてくれよ!
仕方がないのであたしは別の話題をふっかけた。
「夏休み、もうすぐ終わっちゃうね」
「────そうだな」
またまた服部の一言で終了。
このガキ、あたしと会話する気あるのかよ?
「はっとりぃー。あたしは服部が何考えてるのか分かんないー」
投げやりな気分でそう言って、視線を夜景に移す。
と、その時突然ゴンドラが大きく揺れた。
一瞬肝を冷やしたが、揺れの原因は服部があたしの隣に移動したからだった。
「え、なに、突然どうした……」
次の瞬間、あたしは服部の腕の中に居た。