小さなキミと
「────」
服部が唸るように何か言った。
「え? もう1回言って!」
聞いたのか聞いていないのか、あたしが知りたいのはそれだけだ。
身を乗り出して服部に詰め寄るあたしに、服部が虚(うつ)ろな目を向ける。
「ごう……?」
「そう! あたし剛です、剛涼香!
ってかそんな事よりもさっきあたしが言った事……」
あたしは言葉を飲み込んだ。
服部が────あたしの髪を触ったから。
風呂上りで少し湿った、胸なんて楽に通り越してしまう程に長い髪の毛を。
弄(もてあそ)ぶように、彼は幾度となくあたしの髪を拾っては、スーッと手に這わせて落とす行為を繰り返す。
「あのさ……服部、なにしてんの?」
戸惑うあたしに、服部が一言。
「なげぇ」
────はい?
あたしの理解が追いつく前に、服部はおもむろに起き上がった。
「おまえさぁ……やっぱ髪下ろした方が可愛いわ」
────えぇっ!?
あたしは耳を疑った。
「今、なんて言った……?」
服部が不思議そうに首を傾げたので、あたしは同じ質問を繰り返した。
「だから、今なんて」
「お前が可愛いって言った」
何の抵抗もなく言ってのけた服部に、思わず呆然(ぼうぜん)となるあたし。
すると服部は、今度はケラケラ笑い出した。
……なんなんだよ。
あんた、一体誰……?
あたしは軽くパニック状態に陥っていた。
服部が唸るように何か言った。
「え? もう1回言って!」
聞いたのか聞いていないのか、あたしが知りたいのはそれだけだ。
身を乗り出して服部に詰め寄るあたしに、服部が虚(うつ)ろな目を向ける。
「ごう……?」
「そう! あたし剛です、剛涼香!
ってかそんな事よりもさっきあたしが言った事……」
あたしは言葉を飲み込んだ。
服部が────あたしの髪を触ったから。
風呂上りで少し湿った、胸なんて楽に通り越してしまう程に長い髪の毛を。
弄(もてあそ)ぶように、彼は幾度となくあたしの髪を拾っては、スーッと手に這わせて落とす行為を繰り返す。
「あのさ……服部、なにしてんの?」
戸惑うあたしに、服部が一言。
「なげぇ」
────はい?
あたしの理解が追いつく前に、服部はおもむろに起き上がった。
「おまえさぁ……やっぱ髪下ろした方が可愛いわ」
────えぇっ!?
あたしは耳を疑った。
「今、なんて言った……?」
服部が不思議そうに首を傾げたので、あたしは同じ質問を繰り返した。
「だから、今なんて」
「お前が可愛いって言った」
何の抵抗もなく言ってのけた服部に、思わず呆然(ぼうぜん)となるあたし。
すると服部は、今度はケラケラ笑い出した。
……なんなんだよ。
あんた、一体誰……?
あたしは軽くパニック状態に陥っていた。