小さなキミと
「あ……れ、なんで……」
かすれた声でそう呟いた剛は、寝ぼけ眼でオレを見上げた。
「はっとり……
エッ!? 服部ッ!?」
正気に戻った彼女にいきなり出された大声のせいで、オレは主に頭に多大な被害を被(こうむ)った。
「……頼むから大声出さないで」
頭を抱え込んだオレを見て、剛はパッと口を押さえた。
そしておずおずと起き上がった剛。
(短すぎる部屋着のズボンからモロに生足が見え、内心焦った。)
「……あぁ、そうだった……服部おはよ」
タオルケットに顔をうずめた剛が、呟くように言った。
そうだった、とは一体どういう意味なのか。
ともかく剛は訳知りのようだった。
「な、なぁ剛。あのさ、あの……昨日の事なんだけど」
恐る恐る言葉をつなげるオレに対して、剛は顔をうずめたまま「なに?」と返してきた。
「オレ……もしかして、酒飲んだ?」
パサリ、と剛の手元からタオルケットが落ちた。
「あんた、まさか何にも……覚えてないの?」
怒りでもなく、呆れでもなく、剛はただただ驚いた表情をしていた。
目を丸くして、ぽかんと口を開けて、食い入るようにこっちを見ている。
「何にも、って?」
オレが聞き返すと、剛はみるみる険しい顔なった。
「……別に、大した事じゃ無いからいい」
その態度から考えて、剛は明らかに嘘をついていた。
「お前の"大した事じゃ無い"、は信用できねぇな」
おどけたように言ってみたが、これは失敗だった。
かすれた声でそう呟いた剛は、寝ぼけ眼でオレを見上げた。
「はっとり……
エッ!? 服部ッ!?」
正気に戻った彼女にいきなり出された大声のせいで、オレは主に頭に多大な被害を被(こうむ)った。
「……頼むから大声出さないで」
頭を抱え込んだオレを見て、剛はパッと口を押さえた。
そしておずおずと起き上がった剛。
(短すぎる部屋着のズボンからモロに生足が見え、内心焦った。)
「……あぁ、そうだった……服部おはよ」
タオルケットに顔をうずめた剛が、呟くように言った。
そうだった、とは一体どういう意味なのか。
ともかく剛は訳知りのようだった。
「な、なぁ剛。あのさ、あの……昨日の事なんだけど」
恐る恐る言葉をつなげるオレに対して、剛は顔をうずめたまま「なに?」と返してきた。
「オレ……もしかして、酒飲んだ?」
パサリ、と剛の手元からタオルケットが落ちた。
「あんた、まさか何にも……覚えてないの?」
怒りでもなく、呆れでもなく、剛はただただ驚いた表情をしていた。
目を丸くして、ぽかんと口を開けて、食い入るようにこっちを見ている。
「何にも、って?」
オレが聞き返すと、剛はみるみる険しい顔なった。
「……別に、大した事じゃ無いからいい」
その態度から考えて、剛は明らかに嘘をついていた。
「お前の"大した事じゃ無い"、は信用できねぇな」
おどけたように言ってみたが、これは失敗だった。