小さなキミと
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「────朝礼のチャイム、鳴っちゃったね」
言われなくても分かってる。
たった今、朝礼開始の本鈴が鳴り終わったところだからだ。
2人してドアの前にへたり込んで、一体何してんだろうオレら。
じゃなくて100パーセント、オレが悪い。
「あたし、朝礼すっぽかしたの初めてだな。あーあ、また説教だよ服部のせいで」
「……悪かったな」
ブーブー文句を言う剛に、オレは正直少し救われていた。
こんな狭い空間で、コイツと2人きりでの沈黙はかなり厳しいからだ。
ここはオレたちの教室の半分ほどの大きさしかなく、机の並び方も何だか変わっていた。
窓際と廊下側に机が集まっていて、真ん中の空間がポッカリ空いているのだ。
例えるなら、掃除中の教室────?
「なに、どしたの服部」
キョロキョロ辺りを見渡していたオレに、剛が不思議そうな顔をした。
「いや……この教室、何か変じゃね?
やけに狭いしカーテンも全部閉まってるし……」
すると、剛が驚きの事実を告げた。
「そりゃそうだよ、だってここ女子更衣室だもん」
────誰か嘘だと言ってくれ。
オレは今ほど自分を心底間抜けだと思ったことは無い。
「あら。もしかして服部クン、今気づいた感じですか?」
ああ、その通りだよ!
心の中でしか言い返せない自分が情けない。
「あれほど女嫌いだったくせに今じゃ女子更衣室に忍び込むとはね……」
剛はしみじみと言った。
「アンタ、成長したねぇ」
「ちっげーよ!」
その言い方は色々誤解を招くからやめてくれ。
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「────朝礼のチャイム、鳴っちゃったね」
言われなくても分かってる。
たった今、朝礼開始の本鈴が鳴り終わったところだからだ。
2人してドアの前にへたり込んで、一体何してんだろうオレら。
じゃなくて100パーセント、オレが悪い。
「あたし、朝礼すっぽかしたの初めてだな。あーあ、また説教だよ服部のせいで」
「……悪かったな」
ブーブー文句を言う剛に、オレは正直少し救われていた。
こんな狭い空間で、コイツと2人きりでの沈黙はかなり厳しいからだ。
ここはオレたちの教室の半分ほどの大きさしかなく、机の並び方も何だか変わっていた。
窓際と廊下側に机が集まっていて、真ん中の空間がポッカリ空いているのだ。
例えるなら、掃除中の教室────?
「なに、どしたの服部」
キョロキョロ辺りを見渡していたオレに、剛が不思議そうな顔をした。
「いや……この教室、何か変じゃね?
やけに狭いしカーテンも全部閉まってるし……」
すると、剛が驚きの事実を告げた。
「そりゃそうだよ、だってここ女子更衣室だもん」
────誰か嘘だと言ってくれ。
オレは今ほど自分を心底間抜けだと思ったことは無い。
「あら。もしかして服部クン、今気づいた感じですか?」
ああ、その通りだよ!
心の中でしか言い返せない自分が情けない。
「あれほど女嫌いだったくせに今じゃ女子更衣室に忍び込むとはね……」
剛はしみじみと言った。
「アンタ、成長したねぇ」
「ちっげーよ!」
その言い方は色々誤解を招くからやめてくれ。