小さなキミと
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翌朝。
今日の天気は雨。
今までずっと晴れが続いていたので、傘の出番は入学してから初めてだった。
朝部活を終えたあたしと日向が教室に入ったのは、朝礼開始15分前のことだ。
クラスメイトたちが行き交う教室の中で、結と葉山くんが前後の席に座って楽しげに喋っている姿が目に入った。
あれ、珍しい。
葉山くんがこんな早い時間に教室にいる。
葉山くんはサッカー部に所属していて、朝練が長引くせいか、いつもは遅刻ギリギリなのだ。
「結、おはよー」
自分の席に向かって歩きながら、あたしは結に声をかけた。
「あっ、涼香おはよー。日向もおはよ」
結は、顔をこっちに向けて笑顔で手を振った。
「おはよ」
既に着席済みの日向も、結に挨拶を返す。
日向の席は最前列で廊下側の端っこだから、教室に入ってすぐが自分の席だ。
そんな日向の左隣があたしの席。
あたしはカバンを机に引っかけて、結たちの元へ向かった。
結の隣の席が空だったので、勝手に椅子を拝借して腰を下ろす。
「葉山くん今日早いね。雨だから朝練休み?」
あたしの問いに、葉山くんは首を横に振った。
「筋トレだったから、片づけに時間とられなかったんだよね。それに、キャプテンが今日休みでさ。だから早めに終わった」
「へぇ~。良かったね、結」
ニヤッとして結を見ると、結は一瞬で真っ赤になって慌てだした。
「りょ、涼香なに言ってんのっ、ば、ば、馬鹿じゃないの」
うわー、分かりやすっ。
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翌朝。
今日の天気は雨。
今までずっと晴れが続いていたので、傘の出番は入学してから初めてだった。
朝部活を終えたあたしと日向が教室に入ったのは、朝礼開始15分前のことだ。
クラスメイトたちが行き交う教室の中で、結と葉山くんが前後の席に座って楽しげに喋っている姿が目に入った。
あれ、珍しい。
葉山くんがこんな早い時間に教室にいる。
葉山くんはサッカー部に所属していて、朝練が長引くせいか、いつもは遅刻ギリギリなのだ。
「結、おはよー」
自分の席に向かって歩きながら、あたしは結に声をかけた。
「あっ、涼香おはよー。日向もおはよ」
結は、顔をこっちに向けて笑顔で手を振った。
「おはよ」
既に着席済みの日向も、結に挨拶を返す。
日向の席は最前列で廊下側の端っこだから、教室に入ってすぐが自分の席だ。
そんな日向の左隣があたしの席。
あたしはカバンを机に引っかけて、結たちの元へ向かった。
結の隣の席が空だったので、勝手に椅子を拝借して腰を下ろす。
「葉山くん今日早いね。雨だから朝練休み?」
あたしの問いに、葉山くんは首を横に振った。
「筋トレだったから、片づけに時間とられなかったんだよね。それに、キャプテンが今日休みでさ。だから早めに終わった」
「へぇ~。良かったね、結」
ニヤッとして結を見ると、結は一瞬で真っ赤になって慌てだした。
「りょ、涼香なに言ってんのっ、ば、ば、馬鹿じゃないの」
うわー、分かりやすっ。