小さなキミと
「えー、なんか信じられないんだけど」


あたしはどうも腑(ふ)に落ちなかった。

服部の脳中では、あたしは女子に分類されていないんだろうか。


「ねぇ、圭ちゃんと服部くんって、いつから友達なの? 随分昔から知ってるみたいだけど」


好奇心丸出しの結に、葉山くんが爽やかに答える。


「物心ついたときにはもう友達だったよ。俺とアイツ、家が隣同士でさ。家族ぐるみの付き合いで、幼馴染ってやつ」


「へーっ、隣同士かぁ」


そのとき、パッと昨日の服部の言葉を思い出した。

帰ったらとっちめるとか言ってたぞ、アイツ。


「葉山くん、ごめん。昨日大丈夫だった?」


突然謝ったあたしに、葉山くんがキョトンとした顔になった。


「あたし昨日、服部の身長を葉山くんに聞いたって言っちゃってさ。服部怒ってたでしょ」


「えっ? ……あぁ、最初は怒ってたね」


アハハ、と葉山くんは面白そうに笑って言った。


「昨日ね、アイツ夕方ぐらいに俺んち来て、身長がどーのこーのって言っていきなり掴みかかってきたんだよね。俺からしたら、ハァ? って感じ。だって黙ってろとか言われてないし」


「えっ、それでどうなったの?」


結はそう言って、ワクワクしたような調子で身を乗り出す。


お前はどっかの野次馬か。

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