小さなキミと
だけど、自分の方が微妙に非が大きいっぽいのは分かっていたので、結局は我慢するしかなかった。


その後制服にピンとこようが、エンブレムの色で同い年だと感付こうが、相手がやたらと『お姉さん』を連呼しようが。

我ながらよく耐えたと思う。


だけど流石に小学生呼ばわりにはぶちキレてしまった。


後から冷静に考えると、この時の自分の言動は普段では考えられない程ぞんざいだった。

それにオレは、信じられないことを平気でやってしまっていたのだ。


女相手にあんな暴言を吐くのは初めてだったし、2人乗りなんていうのも当然初めてだった。


このオレが、女と2人乗りなんて頭がどうかしていたとしか思えない!


というのも、昔からオレは女子という生き物がどうも苦手で、あまり積極的に関わってこなかったせいだった。


加えて中学のときに色々あって、オレは女子に対して恐怖すら感じるようになっていた。


オレにとって、女子とは嫌悪感のかたまりだった。


剛をその女子のカテゴリーに入れずに済んだのは、

結局のところ、あのタバコ屋の角で接触事故を起こしたおかげである。


初対面時にあれほど素でやり合っておいて、今さら萎縮も何もなかった。


そして不思議なことに、アイツと関わるようになってから、

オレの他の女子に対する苦手意識が少しずつ薄らいできた。


自分でもなぜだかよく分からない。

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