小さなキミと
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ジィーっと食い入る様に見つめてくる葉山くんに、南雲くんは怖気(おじけ)づいたようだ。
ヘラヘラしながら南雲くんは、自分よりもだいぶ背の低い葉山くん相手に、ペラペラと何かを喋り続ける。
最後にアハハ~と格好悪く笑って、彼はすぐさま逃げた。
「なっさけない。何なのアイツ」
あたしは思わず、両替機の脇で独り言を漏らした。
やっぱり筋肉だけあっても駄目だね。
もっと頼りがいのある男じゃないと。
あたしの理想のタイプの条件が、こうしてまた一つ増えた。
それはそうと、葉山くんが派手に登場したせいで、2人はかなり目立っていた。
遠巻きにひそひそ喋る女子高生たちに今更気づいたのか、葉山くんがキョロキョロと辺りを見回す仕草をする。
そしてパッと結の手を取って、彼は走った。
あたしは慌てて両替機の脇から飛び出して、両サイドがユーフォーキャッチャーに挟まれた道を去っていく、2人の後ろ姿を目におさめる。
ヤキモチ……だよね、葉山くん?
結が見知らぬ男と2人でいたから、不安になっちゃったんでしょ?
あたしバカだけど、今のは見ていてすぐ分かった。
ただ、それが恋なのかどうかは微妙なところだけど。
葉山くんって、いつも余裕があって爽やかすぎて、本音がよく分からないんだよね。
だからこそ、今の葉山くんの様子には驚いた。
そもそも、なんで葉山くんがここに居たんだろう。
偶然にしても、1人でゲーセンに入るようなタイプには見えないし。
そんなことを考えながら、あたしは近くに居た高校生カップルにジト目を向けたのだった。
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ジィーっと食い入る様に見つめてくる葉山くんに、南雲くんは怖気(おじけ)づいたようだ。
ヘラヘラしながら南雲くんは、自分よりもだいぶ背の低い葉山くん相手に、ペラペラと何かを喋り続ける。
最後にアハハ~と格好悪く笑って、彼はすぐさま逃げた。
「なっさけない。何なのアイツ」
あたしは思わず、両替機の脇で独り言を漏らした。
やっぱり筋肉だけあっても駄目だね。
もっと頼りがいのある男じゃないと。
あたしの理想のタイプの条件が、こうしてまた一つ増えた。
それはそうと、葉山くんが派手に登場したせいで、2人はかなり目立っていた。
遠巻きにひそひそ喋る女子高生たちに今更気づいたのか、葉山くんがキョロキョロと辺りを見回す仕草をする。
そしてパッと結の手を取って、彼は走った。
あたしは慌てて両替機の脇から飛び出して、両サイドがユーフォーキャッチャーに挟まれた道を去っていく、2人の後ろ姿を目におさめる。
ヤキモチ……だよね、葉山くん?
結が見知らぬ男と2人でいたから、不安になっちゃったんでしょ?
あたしバカだけど、今のは見ていてすぐ分かった。
ただ、それが恋なのかどうかは微妙なところだけど。
葉山くんって、いつも余裕があって爽やかすぎて、本音がよく分からないんだよね。
だからこそ、今の葉山くんの様子には驚いた。
そもそも、なんで葉山くんがここに居たんだろう。
偶然にしても、1人でゲーセンに入るようなタイプには見えないし。
そんなことを考えながら、あたしは近くに居た高校生カップルにジト目を向けたのだった。