小さなキミと
やべぇ、落ち着け涼香。


相手はコドモだ。小学生なんだ。

お前はロリコンだったのか? 違うだろ。


ん?まてよ。

ロリコンって、たしか女の子に対しての言葉だったはず。


じゃあ男の子の場合はどうなんだ。何なんだ。


いやっ、そんなことはどうでもいい!


っていうかいくら男慣れしてないからって、手ぇ繋いだぐらいでコーフンすんなバカッ。


そんなのただの変態みたいじゃん!


おかしなことを考えすぎたせいで頭が爆発しそうになったので、あたしは目を閉じて深呼吸をしてみた。


無心になるんだ、涼香。


あたしは無(む)……

無の存在……いや、存在自体が無……


「オイ」


目を開けると、服部が正面に立っていた。


「うわぁああっ」


思わずどすんとブロックから落下した。

コンクリに思いっきり尻を打ち付け、それを引きずったまま後ずさりしてしまった。


「そんなに驚くことかぁ?」


呆れた口調で言って、服部は500mlのペットボトルを差し出した。


「あの……えと……」


頭が混乱してしまって何を喋ればいいのか、うまく言葉が出てこない。


「パンツ丸見えだけど」


服部の一言にあたしは大慌てで立ち上がった。


「あんたデリカシーってもんを知らないのッ?」


「おめーが勝手に見せてきたんだろうが」


服部は顔を引きつらせ、嫌なものを見てしまったとでも言いたげだ。


このヤローぴちぴちの女子高生のパンツだぞ?

いや待て、スパッツ履いてるから見えてないっつーの!

嘘つくなバカ!

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