きっと、明日も君がすき。


高校生活の集大成と言える最後の大会に出れなくなるなんて、そんなのは絶対にダメだ。

結真くんとの接点を無くせば、麗ちゃんの嫌がらせは無くなる。

私への嫌がらせもきっと初めから何もなかったことになるだろう。



ちょっと私が我慢すれば、いい。結真くんは…きっと私と付き合っていたことなんて忘れてしまうだろう。


それが一番の方法なんだ。選べるようで選択肢は最初から一つしかない。




ピピーーーーーーー

大きな笛の音がして、もう一度窓の外を眺めれば。

バラバラに部室の方へと集まっていく部員の人たち。

……そろそろかな。

私も、いつ終わった連絡が来てもいいように帰る準備を始める。


なんて言おうか。どう切り出そうか。ゆっくりと昇降口へ向かいながら、考える。

思うだけで、胸が苦しくなる。





靴を履きかえていれば、「終わった。どこ」と言うメッセージ。

これがきっと、結真くんからくる最後のメッセージなのかな?と思うと、さらに辛くなる。


なんで、選べないのだろう。

真央って子と付き合ってるの?って結真くんに聞いて、これからもずっと付き合っていたいと告げて、付き合い続けることができて、麗ちゃんの嫌がらせもおきないようにできたらいいのに。




そう願う私は、よくばりなのだろうか。




そんな願いは、叶わないけれど。


私は、無力だから。

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