きっと、明日も君がすき。
…だけど、結真くんはいきなりそんなこと聞かれても困るし、意味が分かんないよね。
「帰りたいんだけど」
落とされた言葉は、欲しかった答えではなく、今の率直な気持ちで。
「ごめんなさい…でもちょっとだけ」
ふっと落とされた言葉に傷つきながらも、次の言葉をぶつける。
「結真くんは、私と一緒にいて、少しは幸せでしたか?」
「……は?」
続けて出した言葉に、さらに結真くんの顔が険しくなる。
「何言ってんの?」
「……」
「ねぇ、」
欲しかった答えはもらえない。
「私は、」
「……」
「私は、結真くんと付き合えて、幸せでした」
一緒にいれて、彼女になれて。すっごくすっごく幸せだった。
「……志桜里、」
「結真くん、」
戸惑ったように見下ろされる顔を見上げる。
真っ直ぐ、瞳を見つめて。
「……別れませんか……?」
たった一言。声に出した瞬間、胸が苦しくなって、涙が浮かばないように瞳に力を入れた。
目の前の瞳はわずかに揺らいで、結真くんが少しでも驚いてくれたことが分かった。
揺らいだあと、もう一度私へと真っ直ぐ落とされた視線。しばらくお互い、無言で見つめあったかと思えば、結真くんから視線が外された。