きっと、明日も君がすき。

「違うの、誤解!」


手をふりほどいて、結真くんの目の前に見せる。


「これ・・・絵の具・・・」


見せてから、水道で手を洗う。




刺すような冷たい水が手に触れて、ついていた絵具を綺麗に落としていく。



紅をまとって排水溝へと流れて行った水。


「ほら」

タオルで拭いてからもう一度結真君の目の前へと見せる。綺麗に、なくなって傷一つ無い手。



「……なんだ」





それを数秒見つめた後。


静かに息を吐きだした結真くんは、低く、小さな声でそう呟いた。



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