きっと、明日も君がすき。
いつの間にこんな時間が経っていたのかと自分でもびっくりする。
立ち上がって、窓に近づき、カラカラを窓を開ければ…。
「まだしてんの?」
「佐田くん!」
こちらを見上げて立っている結真くんがいた。
「部活終わり?」
「ん。もう8時過ぎだしね」
そう言われて。振り返って時計を見れば、言われた通りに針はその時間をさしていて驚く。
結真くんへと視線を下ろせば、いつもの練習義姿ではなく制服姿にカバンを肩にかけていて。すでに着替え済みだった。
「期末も近いし、早めに終わってるのにまだ描いてんの?」
私のいる室内の方が外に立っている結真君より高くて、いつも見上げる立場の私が結真君を見下ろし、結真くんが私を見上げているのに不思議な感覚がする。
上目遣いの結真くんもカッコよくて、顔に熱が。
「あ…うん。他のみんなはコンテスト用の作品も書上げたし、お休みなんだけどね、私はまだ終わってなくて」
結真くんの言うとおりもうすぐ期末テストが始まる。
いつもは遅くまで力を入れている部活生もさすがに早めに終えて勉強に力を入れ始めるころなんだけれど…
試験前までがこの作品の締め切りなのだ。
試験勉強に早く切り替える為にも一日でも早く作品を書上げなければいけない。
「あ…佐田くんはもう帰るよね…引き留めてごめんね」
佐田くんも練習で疲れてるだろうし、早く家に帰ってお勉強したいだろう。申し訳なくなって謝れば、いや…と言われる。
「まだ残るつもり?」
「え?あ…うん。もうちょっとだけやっていこうかな。9時くらいまで」
「そう」
「うん。あ、じゃあ…」
ばいばい。できる限りの笑顔を作ってそう言ってから、片手で手を振り、片手で開けた窓を島ようとすると…
ガッと止められた窓。
え?と思うとそのまま見上げている結真くんが、少し考えてるような顔をして。
「佐田…くん?」