きっと、明日も君がすき。
質問の意味の意味がわからず聞き返す。
あ。もしかしてうるさかったかな。
さっきからどうしても解き方がわからず教科書やノートを遡ってペラペラとうるさかったかな。
ごめん…と謝れば、え?と逆に言われてしまった。
そして、持っていたシャーペンで私の教科書をぺしぺしと叩く。
「何で数学?」
……。
どうして数学を勉強してるの?って意味だろうか。
「えっと…一番最初のテストだから?」
数学は試験開始初日の1時間目に行われる試験。試験の日程は学年全部一緒だから結真くんも知ってるはず。
なのになんで?
私が今からやっと試験勉強を始めるということも既に知ってるはずなのに…。
どうしてそんなことを聞いてきたのかと首を傾げる。
その質問は口が裂けても結真くんへ聞くことはできないけど…。
けれど、私の分からない、と言った表情を結真くんも同じように浮かべていて。
「それは知ってる。だから何で数学」
……。
ごめんなさい。
バカな私は結真くんが何を言いたいのか分からなくて困る。
せっかく結真くんが話しかけて質問してくれているのに私は意図がわからず察することもできなくて、困って固まるしかできない。
「えーっと…」
「数学なんて公式だけ覚えとけば数字変わるだけだから簡単でしょ?それよりも他のした方が…」
いいんじゃない?と言われ、やっと結真くんが言いたいことがわかった。
いちいち一問ずつ馬鹿丁寧に解いている私に、公式を覚えパターンを抑えればそんなもの解かなくてもテストはいけるだろうと。
それよりも一夜漬けではどうにもならない、覚えておかなければ点数が取れないものをしろ、と。
パターンがある数学と違って英語などは一つ一つ単語を覚えておかなければ長文も、穴埋めも話にならない。
…確かにそうなんだけど…。困ってしまって笑うしかない私を見て、結真くんが眉を顰める。
「…もしかして数学苦手?」
その質問は、もっと困る。