きっと、明日も君がすき。



「あ。……明日は俺の教室ね」


美術室を出て鍵をかけてた時。


ふいに後ろで待っている結真くんに声をかけられ、鍵を締めながら振り返る。


「え?」


「美術室。もう使えないんでしょ」


やっと完成したし。と結真くん。


そうだ。それを私も言おうとしていたのに…忘れていた。


でも、



「教室?」


「ん」

てっきり今日で終わりだと思っていた。

美術室だから、来てくれているのだと思っていた。

「でも…教室は鍵…」


日直が最後戸締りをして日誌とともに鍵を職員室へ持って行く。


なので放課後は教室は全て施錠されていて試験勉強は各自の部活で使う教室でするか、図書館が通例だし、忘れ物の場合はわざわざ職員室に鍵を取りに行かないといけない。


なのに教室?


「俺のクラス、鍵開けっ放しだから」


「え、」

「担任の意向で。だから明日からはそこで」


そこまで言われて結真くんは先に歩きだす。しっかりと鍵がかかったことを確認してから送れないように私もついていく。



美術室が使えなくなっても、結真くんは私と勉強することを許してくれるらしい。

嬉しいと思う反面、これ以上不甲斐ない姿を見せて呆れられないように…



すでにかなり呆れられてるけど頑張らないといけないと思った。








その後、テストでは結真くんが教えてくれたお陰で今まで見たこともない点数を取り、嬉しくてそれを見せた結真くんに真顔でレベル低すぎと言われてしまうけど。




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