きっと、明日も君がすき。
「え…!?」
「午前中に完成して、ポケットに入れてたんですけど…さっき気づいたら無くて。体育館にも落ちてなくて、もしかしたら椅子に挟まってないかなって」
「それは、大変だよ…探さなきゃ。」
私は佐田君を見るが、冷たい表情の佐田君は首を横に振る。
「ダメだ。HRに行け」
「そんな…」
「わかってる?俺ら実習生がサボらせてどーすんの。」
「だけど…」
「分かった!私が探しとくよ!どんなの?」
「えっと…青と白の組み合わせで…」
「分かった!見つかったら教えるね。」
「あの…先生」
申し訳なさそうに言う大島さん。
「美術室も探してもらってもいいですか?」
あ、そっか。
午前中は美術室だった。
「分かった、探しとくね!」
「そうじゃなくて」
佐田君が私と大島さんを見る。
「授業中」
「あ…!」
「怒るとこだろ」
しゅんとする大島さん。
「ま、間に合わせようと必死だったんだよね!明日までに完成させなきゃいけなかったんだし!大丈夫だよ、私も良く授業中内職してたし…」
「お願いします!体育苦手ででも、周りからできなくて足引っ張るから嫌な目で見られて学校に行きたくない時に助けてくれたの。だから、渡したかったんです」
「…頑張って見つけるから!」
…とは言ったものの。
カシャン、カシャン…
パイプ椅子を一個ずつ動かしてはは確かめ…この膨大な数はかなり危ないかもしれない。
大島さんがどの椅子に座ってたかわからないから、一つ一つ見て行くしかないしなぁ。
重たいし冷たい。物置状態のこの部屋に暖房が着いているわけもなく。
早く終わらせないと、と必死に手を動かす。
これが終わったら美術室も探さなきゃ…。
見つかればいいんだけど…。