きっと、明日も君がすき。
実習最終日
昨日とは違う、職員席から笑ってる子、近くの子とこっそりお話をしてる子、泣いてる子をぼんやり自分と重ねながら見ていた。
それぞれ、思い思いの3年間だっただろう。
嫌なこと、楽しかったこと時間が経てばその記憶は大切な宝となって。
この3年間で学ぶことは本当にこれからの人生の糧になると思う。
私は……。
体育館中が拍手で響く中をクラスごとに退場して行く。
その中に、大島さんを見つけて私は唇を噛んだ。
どうにかして見つけてあげたかった。
最後だからこそ、思いがここに残ってしまわないように手助けしてあげたかった。
私のように傷跡が残ればそれは消えなくて。
しての後悔よりしなかった後悔の方が本当に後悔するから。それを、誰よりも分かっていたはずなのに。
また自分と同じ子を作ってしまった罪悪感に蝕まれる。
「なんだか私たちも卒業する気分」
「今日で最後だもんなー」
「眠れなかったのは辛かったけど、今思えばあっという間の二週間だったなー」
「さ、私達も行きましょうか」
教室に戻り最後のお別れをしている間、私達は式に使った体育館の片付けと見送りの生徒の誘導に別れる。
「志桜里とゆーまは外ね!私達体育館だから!」
「私も式で使った品の片付けを任されているので」
「じゃあ、また後で」
そう言って散らばって行く中。
何も言わず、結真くんは外へと歩いていく。
…昨日のこと、やっぱり怒っているのだろうか。
今日で最後なのに。こんな終わり方、嫌なのに。
「ゆーまくん後で写真撮って」
「嫌だ」
「何でー!?」
「卒業しないのに何で撮るんだよ」
「私たちはしないけど、ゆーまくんは今日で最後でしょー?」
「いいです結構です」
すぐに卒業生が出てくるのを待っている在校生に取り囲まれて行ってしまう。
私は、結真君が言った方と反対側の在校生達を誘導する。
「…寒いねぇ」