きっと、明日も君がすき。
「…いた」
私の予想通りだった。教室を覗けば、席に座って、ぼーっと窓の外を見ている結真くんを見つけた。
気配に気づいたのか、体ごと窓の方を見ていた彼は顔だけこちらを向く。
「お疲れ様。申し送り終わった?」
「お、疲れ様」
少し微笑んで言われた言葉に、ドキドキしてる感情を抑えながら答える。
「…ここにいたんだ」
「なんとなく」
入ってくれば?
入り口で突っ立っている私に一言。そういったかと思うと、顔はまた窓の方へと戻ってしまう。
「そこの席だったの?」
ゆっくりと近づきながら声をかければ、うん。と返事が返ってくる。
「何年も経ってるから曖昧だけど。多分」
「私は、最後の席は確か、ここだった、かなぁ…」
机と机の間を通って、記憶を頼りにその席に座ってみる。
結真くんよりも、後ろの列。
黒板の方に向かって座る。
きっと、同じクラスならこうなってたのだろう。
3年間。1度だって同じクラスになることは叶わなかった。
できればこうして、見たかった。
―――だけど、あの時の私は数年後、こうしてまた同じ教室にいて話してるなんて思わないだろう。
今彼を目の前で見れてることも、奇跡なんだ。