きっと、明日も君がすき。
あれから
「―――ただいま」
「あ、おかえりなさい」
「あーー、つっかれた」
バサっとソファーに荷物を投げ捨てて自分も座れば、
「早川さんどう?だいぶん良くなった?」
目の前のテーブルでPCを開いて作業してた志桜里が振り返る。
「…相変わらずの運転手です」
「お疲れ様」
ふふふ、と笑う志桜里に、なんとなく伝えたくなった。
「あのさ、」
「ん?」
「…タイミングって大事だよな」
突拍子もない俺の言葉に、一瞬目が大きくなったあと、
「ふふ。そうだね」
と。
「…どうしたの?」
首を傾げて聞かれて今日の出来事を思い出す。
「高校の時の俺らみたいな奴がいたから、お節介やいてきた」
「珍しいね」
ほんと。言われる通り。俺が他人にお節介焼くなんて滅多にあることじゃない。
「――後悔して欲しくなかったから」
俺みたいに。重なった部分があったからだあんなこと言ったんだと思う。
細かくいう訳じゃない。だけど、その一言で何のことを言ってるのか、志桜里には十分伝わったらしく。
「そうだね」
とほほ笑むものだから、この疲れもゆっくりとどこかへ消えて行った気がした。
…もう手放さない。
何気ない日常の中に、俺は死ぬまであと何回。
彼女を見ながらそう思うのだろうか。
【END】