きっと、明日も君がすき。




沈黙をどうにかつなげないと、ととっさに山根君は思ったのだろう。

「佐田、でいい?名前でもいい感じ?」

「どっちでも」



「じゃあ、結真で」

笑った山根くんは続ける。

なにか、会話を繋げるための話題を探すように視線を彷徨わせ。

思いついたのかなと思えば、こちらへ視線を向けてきた。


「結真とえっと、矢野さんはここの卒業生で同級生だったんだよね?」



確認するかのように、何気無く言ったつもりだろう。何も知らないからしょうがないのだけれど、地雷。



いとも簡単に引っ張り出された話題は、

私の心を抉る1番触れられたくないもの。


え、と思った。まさかいきなりそんな話題になるとは思っていなかった。とっさにみた彼は、顔色一つ変えずに山根君を見ていて。

「そうだけど」

< 24 / 156 >

この作品をシェア

pagetop