きっと、明日も君がすき。



「やっぱり今日も早かったですね」

「…主語」




「授業、終わるのが、です」

いつもいつも。

どれだけ早く用意しても私のクラスが先に終わる、と言うことはなかなかない。

授業時間きっちり守っている私のクラスと、いつも少し早く終わってしまう彼のクラス。



ちょっとの差なのだけれど。そのせいで、いつも先に帰られてしまわないように教室から昇降口までは全力疾走になってしまう。



走ればいつも間に合うのでそれくらいは全然平気なんだけど。




寒さでつんとする鼻にをすすれば、

爽やかな匂いが入ってくる。

結真くんの匂いだ。香水かな?柔軟剤かな?




…何を使っているのか聞きたい。






けれど、聞いてもきっと答えてはくれないだろうから聞けずにいる。

「寒いですねぇ…」



「……」



代わりに口に出した言葉。




返事は帰ってこない。けれど、私は気にせずできるだけ暖が逃げないように体を竦める。

コートもマフラーもしていないのはさすがにしんどい。




カーディガン着てるから大丈夫だと思った自分の浅はかさ。

明日からはちゃんと防寒してこないとな…。




「…バスで帰れば?」


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