きっと、明日も君がすき。
頭良さそうだからきっと。
分かって言ってるんだろうなぁ。
そう考えれば、さっきの言葉から結真くんの気持ちも届いて、心は沈む。
「何も貸さないから」
釘を刺すように言われた言葉に、私は黙って視線を逸らした。せっかく隣にいることができるから、できればずっと顔を見続けていたいけど。
何気なく言われた言葉は気温と変わらず冷たくて。
貸して、って言われると思ったのかな。
そんなことはこれっぽっちも思ってなかったのだけれど。
結真くんの暖を奪おうなんて考えてない。
「大丈夫です。ただ、何気なく言ってしまっただけなんで」
へらっと作り笑いを浮かべる。
冷たく言われることはいつものことだ。
段々と結真くんといるようになって、その冷たさに敏感になってしまった。
だけど、ここでめげちゃだめだ。……この恋は、私が引けば何も無くなってしまうから。
「そ」
「明日はちゃんと厚着してきますから」
「知らないけど」
「そうです、ね」
どうでもいいよね。と思いながら、カーディガンの袖を引っ張って握りしめた。
ここでめげないのが、私だ。
「学ラン、いいですよね」
「…」
「スカート、寒くて。女子の制服も冬だけズボンにならないかなぁって」
スカートからズボンに変わるだけで、温かさは全然違うだろうなぁ。喋るたびに出ていく息は白い。