きっと、明日も君がすき。
きっと私は結真くんと帰るだろう。
「…ついたから」
駅までの道はあっという間で。
すぐに離れないといけなくなる。
学校から駅までの道。どうしてもっと長くならないのかなぁ。
ポケットから取り出された定期。
一言だけそう言われてこっちを見向きもせずに歩いていく背中に、声をかける。
「…また明日っ!」
精一杯の叫び。
もちろん、返事はない。
きっと大丈夫。聞こえてる。はず。
いつも通り、こっちを振り向くこともなく改札をくぐっていかれました。
背の高い結真くんは、遠くからでもすぐわかる。
最後の最後まで、見えなくなるまでその後ろ姿を見送って、私は携帯を取り出す。
さて、私も帰ろうかな。
「…寒い」
結真くんと別れた途端、いままで暖かかったものが寒く感じる。
でも、いつも通りさっきまでのことを思い出せば、すぐに胸がポカポカしてくる。
結真君の視線、表情、手や顔の動き、そして会話。
一つ一つを頭の中で思い出しながら、自分の家へと帰るのが最近の日課となった。
家に帰ったら、麗ちゃんに報告しないとな。
今日はカイロをくれたんだよって。
やっぱり、結真くん優しいんだよって。
きっと麗ちゃんはバカにするんだと思うけど。
毎日そうしているだけで、本当に本当に幸せで、私は満足。