きっと、明日も君がすき。
気が付けば、周りはそんな情報で溢れていた。
そしてそれを佐田くんは断ったとか。
そんな話を聞く中、思う。
私でも可愛いと思った子だったのに、なにがダメだったんだろう。みんな不思議そうにそう言ってたけど、私もそう思う。
「きっと、遊びじゃないとダメなんだよ」
一人の子が言った言葉に、あー…とその場のみんなが納得し頷く。
…遊び、かぁ。
今まで誰が誰に告白したなんて聞いても、そうなんだーくらいにしか思わなかったのに。
佐田くんに告白するらしいよって話を聞いて佐田くんがOKするんじゃないかとひやひやして。
佐田くんが断ったらしいよって話を聞いてほっとしたり、やっぱりダメなんだって自分の事のように落ち込んだり。
気付かないうちに目で追うようになって。
最初は、見て眺めているだけで満足だったのに。
いつの間にか、見てるだけじゃ物足りなくなった。
話してみたい、隣に並んでみたいなぁって。
でも、クラスも違くて、そもそもあまり男の子と話すことすらない私。
そして、見たり話を聞いている限りでは結真くんも女の子とあまりベラベラと話したりしない人らしい。つまり、自然に友達になることはよっぽどの奇跡がないと無理。
そう思った私が、できることは一つだった。
結真くんの彼女にしてもらうしかない。
絶対に自分から告白するなんて無理!そう思っていた私の考えが、あっけなく崩れた。
断られても別にいい、そう思えるくらいに。
断られたって、告白された相手の顔くらい覚えてくれるだろう。
彼女がダメなら、せめて友達でって粘ればいい。
そう考えれば、そんなに振られた時のことなんて気にならなくて。
勢いがついた私は、早かった。
もう、他のことを考えることもなく一直線に。
今考えれば短絡的で本当に馬鹿だったな、と思うけれど。