きっと、明日も君がすき。
告白しちゃえって思ったものの、麗ちゃんには言えず。
言ってしまおうと決めた決意が崩れてしまわないうちに、本当に勢いに任せるようにして。
麗ちゃんには内緒にしたまま。
佐田くんは、授業が終わったらすぐに帰っちゃうんだよねって
誰かが言ったことを思い出して。
授業が終わった後、ダッシュで昇降口に向かった。
――女の子の情報はすごいものだ。
はやる気持ちを押さえながら待っていると、トントン、と一番に降りてきたのは、本当に結真くんで。
――久しぶりに、近くで見た。いつも遠くから眺めるだけだったのに、すぐそこで見る結真くんに胸がきゅんとする。
好きだ、と実感する。
…だけど、それは私だけだ。向こうは私を一瞥して、通り過ぎた。そのままロッカーで履き替えて出ていく。
…覚えてるわけないよね。
ちょっともしかしたら、と思ったけれど。
やっぱり。
階段で響く降りてくる生徒の声を聴きながら、慌ててその後を追いかける。
歩くの、早い…!
早足なわけでもないのに。
身長の差なのか、速度が速くて。追いかけて、真っ直ぐ校門へと向かっている結真くんの肩を叩いて声をかける。
「あの……!ちょっと、いいですか?」
不思議と声を出してみれば、さっきまであったドキドキとかそんなものはなくて。
でも、できれば誰にも見られたくなくて。早口で言えば、結真くんは無表情で私の顔をじいっと見つめたあと、無言でついてきてくれた。