きっと、明日も君がすき。
面倒くさそうに歩きながらもついてきてくれるから、やっぱり優しい人なんだな、と思いながら向かったのは、ベタだけど校舎の影。
「何」
きっと、慣れているんだろうな。こういうの。後ろを振り向くと同時に、そう聞かれた。
少し距離をおかれて止まっている結真くん。
いつものことなんだろうけど、早く済ませろ、そういわれているような視線。
早く言わなければ、帰ってしまうんだろう。
直感でそう思った私には、心の準備をする時間なんて無かった。気持ちを落ち着かせて、息をゆっくりと吐き出して吸う。
そんなことも無かった。
「……好きです、遊びでもいいんで私と付き合ってください!」
ギュッと目をつぶって何日も前から考えて考えて考え抜いたセリフをぶつけた。
言い終えたと同時に俯いて、さらにぐっと目を閉じる。
目を瞑ったことで、耳が敏感になり音を拾おうと集中する。じゃりっと、結真くんのスニーカーの音がした。
――断られる。
でも、それは想定内なんだ。断られたら、ダメなら友達に、友達にはさせてもらうんだ!
もう、次何を言うかの準備は万端だ。
向こうが言葉を発したら、
友達に友達に、友達に…
「……いいよ」
「じゃぁ、ともだ………――――えぇっ!?」
その時の私は、きっとすっごくバカな顔をしていたんだと思う。
予想していたことと全く違かったから。
これっぽっちも思っていなかった、まさかの答えをもらえたから。