きっと、明日も君がすき。
「それだけはやだ!」
間を取らずに、悲鳴にも似たキコの叫びが返ってきた。
実際に何年前の先輩だったのかも分からないけれど、”伝説”として語り継がれている物は多々あるのだ。
どこの学校がとても厳しくてそこの実習生がうつ病になっただとか
失礼なことをして実習中止になってしまっただとか
いわゆる
「やらかしてしまった」伝説として。
私が知っている限り、未だ実習先を決めきれないで実習中止になった生徒は聞いたことがない。
キコがそうなれば2・3年は名前も、もっと経てば名前を伏せられて後輩に語り継がれる伝説となるかもね。
「じゃあ、早く決めないと」
あぁーと顔を歪めて机に突っ伏すキコ。
今学部内で同じように悩んでる姿を見かけるなぁ。
さっきの講義終わりの教室でも
白紙の紙を見つめてはこの世の終わりのような表情をしていた人を何人も見かけた。
どの学生にとっても
今これは悩みの種。