きっと、明日も君がすき。
実習初日
結真くんは、高校の時も充分格好良かったけれど、
今はその時のかっこよさに成人した分大人の落ち着きも入っていて。
挨拶で女子生徒の心を掴むのは本当にもう、一瞬だった。
体育館に入った瞬間から、女子高生特有のイケメンのサーチ能力で注目を浴びてたけど。
ただ、私達に挨拶したとおり名前と大学、担当する科目と一言だけ「よろしくお願いします」と言っただけなのに。
引きつける力は、すごいと思う。
そして、回ったマイクは校長先生へと戻されて、私と結真君が卒業生だと言う、言わなくてもいい情報を全校生徒に入れて。
感じた視線は二種類。
はぁ?っていう私を物色するような視線と、親近感を持ってくれた視線。ちょっと怖いなぁ、と思った。
「――今年はね、美術の選択者、多いんだよ」