きっと、明日も君がすき。
―――芸大に入って3年。
・・・も終わろうとしている冬と春の間。
4年生に進級するための一番大きな壁。悩んでいるのは、教職を取るための教育実習について。
芸大に入った人の中でも教職を取るか取らないかで別れるけれど
取ることを選択した私たちは進級条件のある単位をかかえた2週間の教育実習がある。
母校に行くか、
他校に行くことを希望して交渉して
行かせてもらえるようにするか分かれるのだけれど……
「いいよね私立は。在学中と殆ど変わってないんでしょ」
ちらっと恨めしそうに私を見たキコ。それに頷く。
「うん。担任も、校長も、美術の先生もまだいるって」
だから、私は迷わず高校で希望を出した。卒業からまだ三年しか経っていないし、在学中も毎年教育実習生の受け入れは行われていたし。
それに。校長先生が自ら卒業式のスピーチで
「先生希望の生徒が数年後に実習でここへ戻ってきてくれることを楽しみにしています」
と言っていただけあって、
あっさり実習の受け入れは決まった。
「いーなー!うらやましぃー・・・」