きっと、明日も君がすき。
……そう思っても、耳を塞ごうとしなければやめて!と佐田くんを止めることもしない私は、どれだけ佐田くんと接することに焦がれていたのか。
彼は、そんな私の気持ち、知らない。
私も、佐田くんの気持ちが全くわからない。
「生徒に聞かれたなら言えばいい。私は佐田先生を振りましたって。別に言っても怒んないから」
……あぁ。どうしたら。違うのに。
ガタッと鳴る椅子。
冷たく言葉を落とし、そのままプリントを持って出て行く結真くん。
……私は、ただ何も言えなくて。
出て行くその姿を、遠ざかっていく足音をぼんやりと聞くことしかできない。頭の中では、必死に今言われたことを理解しようとしていて。
「そんなつもりで、言ったんじゃない……」
きっと、今の言葉が結真くんの私に対する気持ちなのだろう。
結真くんは、私のことをずっとそう思っていたんだろう。散々付きまとってきたくせに、最後は振った、自分勝手な女だったと。