きっと、明日も君がすき。
高校3年生*春*
結真くんと付き合えようになったのは、1年生が終わる少し前だった。
それから春が来て、夏が来て、また冬が来て。
また、春が来た。
付き合ってるカップルのようなことは全くできなかった。
長期休みは最初から最後まで連絡しても返事はこなったけれど。
それでも時間は過ぎて行って。毎月増えてく付き合い始めてからの記念日が、とっても嬉しかった。
「デートしてなくて付き合ってるって言えるのかね!?」
帰ろうとマフラーを首に巻いていたら、投げやりに麗ちゃんに言われた。
「……付き合ってるよ。この前ね、デパートの展示会に私の絵が展示されることになったんだけど、それ、一緒に見に行ったの」
「へぇー……じゃあちょっとは進展してるんだ」
少しびっくりしてくれたらしい。
進展。些細なことだけど、他の人はきっとそんなこと?って思うかもしれないけれど。私が気付いたことはどれも大きな変化だった。
少しずつ、少しずつだけど、結真くんは私に優しくしてくれるようになった。
季節が、過ぎて行くごとに。
最初は待ってくれさえしない、先に帰られてしまうことも沢山あった帰り道。
――――それは、6月の梅雨の時期に、変わった。
梅雨だと、分かっていたのに。その日、持ち歩きに便利な折り畳み傘を忘れた私。
廊下を急いで歩きながら、窓にぶつかる雨にどうしよう、という気持ちでいっぱいだった。