きっと、明日も君がすき。
今日は、ホームルームが異様に長かった。
明日の朝でもいいのにっていう連絡事項が多くて、学年で1番最後の解散だった。
きっと、もう結真くんは帰ってしまったよね。歩くの早いし、もう駅かな。
諦めて、ゆっくりゆっくりと階段を降りる。
雨のせいで所々濡れている階段に、足を取られないように気をつけながら。
落し物としてある傘借りれないかな。
誰か、同じ方向の友達いないかな。
…考えて見たけれど、みんな部活だ。
雨、止まないかなぁ。少しでも、弱くなればどうにか帰れそうなのになぁ。
「……遅い」
ザァザァと外からする音の中で聞こえた、低い声に、私は足元ばかり見ていた視線を上げた。
視界に入った、私を見上げる不機嫌そうな顔。
階段に腰掛けていた結真くんは、立ち上がると鞄を肩にかけて歩き出す。
…一言も、声が出なかった。
だけど、状況が自分の中で理解できた時。嬉しくて、胸があったかくなった。